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2021.04.15
d LONG LIFE DESIGN
「長くつづいて欲しいものを、意識を持って応援しませんか」
D&DEPARTMENT PROJECTのナガオカケンメイ氏が代表を務める
「ロングライフデザインの会」が出版している、会員誌の冒頭に記されている言葉です。
編集長もナガオカ氏が務め、毎回、地域の産業や暮らし、環境や活動などにフォーカスした、
ロングライフデザインを取り上げています。
皆川明さんや大治将治さんの連載もあり、いつも会員誌が届くと一気に読んでしまいます。
設計でも流行り廃りではない建築のあり方を目指していることもあり、
考えに共感し微力ながら応援させていただいています。
考えが同じ方々の活動を拝見するのも心強いですね。
興味があって、長く愛されているデザインについて考えるのですが、
ロングセラーと言われる商品やデザインはいい意味で 〝ふつう〟 なんだと思います。
変に作り手の個性や作為、邪念を感じません。
また、世間の消費のも背を向けている感じも好感が持てます。
たまに世田谷にあるd-department TOKYOに行くのですが、
いつも時間を忘れて商品に見入ってしまいます。
そこは〝ふつう〟のデザインで溢れています。
これが妙に心地良いんですね。
たぶん商品にギラついた雰囲気が皆無だからなんだと思います。
会員誌の民藝についての特集の中で富山県南砺市にある大福寺の住職、太田浩史さんが、
「作為というのは殺意なんです」と話されていてドキッとさせれられました。
「私たちの作為の中には、美はないが、自然の中にはある。美しいものを作るということは、
自らの足元から作為を排除する大事業なんです」とも話しています。
また、『柳宗悦全集』第8巻 [工人銘 器物七則]の中にはこのように書いていあります。
作をして美しきもたらしむべし
されど美を工夫すべからず。作為は美の殺戮なり。美は自然に在り。
よき工人は自然の欲する以外の事をせざるべし。
これは設計やデザインにも通じるとても普遍的な話だと思います。
建築でも作為が強いものは短命であることが多いように思いますし、
消費の対象になってしまっているように思います。
自分もまだまだ作為の中で捏ねくり回そうとしがちですが、
しっかりとこの言葉を心に刻んで日々設計に取り組んでいきたいと思います。
d-departmentやロングライフの会の活動にご興味のある方は是非。
iso