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2021.11.16

こどもの国

こんにちは、礒です。

 

秋晴れの良い天気が続いているので、先日家族で「こどもの国」に遊びに行きました。

 

 

こどもの国は横浜市青葉区と東京都町田市にまたがる、

 

多摩丘陵の自然を活かした100万平米もの広大な遊び場です。

 

ミニSLや動物園、人工湖に牧場、スケート場、プール、グラウンドを始め、

 

たくさんの多彩な遊具やアスレチックなどが点在しています。

 

110mのローラー滑り台などもあって、こどもと一緒に大人も楽しむことができます。

 

朝から巡って閉園までいましたが、それでも回りきることができないくらい広さがあります。

 

毎日デクワークの身には堪えます(笑)

 

草木や野鳥など四季折々の変化も楽しみそうで、次回はお花見がてら春に行ってみたいと思います。

 

 

 

元は旧日本陸軍の弾薬庫だったそう、戦時中の遺構が園内に点在していたり、

 

当時のトンネルがそのまま使われていたりと、

 

ランドスケープも当時から大幅に手を加えることなく整備されたそうです。

 

というのも実は「こどもの国」の建設にあたり、こどのも国建設推薦委員会のメンバーだった建築家、

 

浅田孝によってマスタープランが作成されています。

 

当時、浅田はこのひだ状に広がる粗放な自然30万坪そのままで、

 

施設はない方がいいと提言したそうですがさずがにそうはいかず、

 

必要な施設をつくることから計画がスタートします。

 

浅田は丹下健三の右腕として活躍し建築家・デザイナーを集め結成した

 

メタボリズム・グループの生みの親で世界デザイン会議の事務局長を務めた人物。

 

「こどもの国」でもメタボリズムのメンバーが中心となって施設や工作物の設計がなされました。

 

大高正人、大谷幸夫、菊竹清訓、黒川紀章、泉真也、粟津潔そしてランドスケープはイサムノグチ。

 

そうそうたる顔ぶれ…

 

菊竹清訓は「林間学校」、イサムノグチと大谷幸夫によるランドスケープ「児童遊園と児童館(屋根のある遊び場)」

 

黒川紀章は「休憩所」「アンデルセン記念の家」「セントラルロッジ」「屋外集会所」

 

の4つの建築を手掛けています。黒川紀章は当時30才。

 

まだ実作が少なくこの「こどもの国」のスタディーを通じ、

 

さまざまな思考や経験をしたことが文章で残っているそうです。

 

60年代をリードした若手建築家たちがメタボリズム思想のもと様々な施設を設計しましたが、

 

資金難などで実際に建設された数はそれほど多くなかったようです。

 

建設されたものも残念ながらほどんどが老朽化で解体され、黒川紀章の「休憩所」と

 

イサムノグチノの彫刻遊具「丸山」と遊べる彫刻オクテトラ」、アーチ型エントランスが現存するのみ。

 

もし当時の建築がそのまま残っていたら…と思うと一建築ファンとしては少し残念です。

 

 

 

 

現存する黒川紀章の「休憩所」通称フラワーシェルター。

 

花弁のユニットは取り替えを想定して設計されているとか。

 

メタボリズムの思想が垣間見えます。

 

 

 

イサムノグチの遊べる彫刻の代表作品。「オクテトラ」。

 

6角形の面四つと3角形の面四つを組み合わせたコンクリートの8面体。

 

登ったり穴の中に入ったりと色々な遊び方を想起する面白い造形です。

 

 

こちらもイサムノグチの遊べる彫刻「丸山」。

 

コンクリート製で亀の甲のような山の直径は約6.9m、高さ2.1m。

 

穴の直径は80cmで中で繋がり、滑り台のようになっています。

 

階段部分は彫り込まれていて全体の造形を邪魔しないデザイン。

 

息子も元気よく中に入ったり、周りを走り回っていました。

 

巨匠の作品と知るのはもう少し先になりそうです(笑)

 

 

イサムノグチはこの丸山の制作にあたり連日現場に通い詰め、

 

盛土の作業員に「もう2cm低く」と指示をだしていたそうです。

 

完成当時は丸山の周りを取り囲むように大谷幸夫の児童遊園と児童館が配置されていたとのこと。

 

完成当時、新聞のインタビューに対し、イサム・ノグチは

 

「(こどもの国に)30年の設計の体験をすべて生かした。子供の遊び場には自然を残し、自然を生かさなければならない。遊んでいて心のたかぶりを覚えるようなものをつくりたい、という私の夢を実現した」

 

と語ったそうです。

 

丸山の周りを走り回る子供たちを見ると氏の想いはしっかりと今につながっているように感じます。

 

 

その丸山に行く前にあるアーチ状のアプローチ。

 

こちらもイサムノグチの作品。

 

丸の歪みになんとも言えない味があります。

 

そして見返り。

 

 

 

 

丸山を取り囲む様にある自然観察センターと温室。

 

こちらは子供施設の名手、環境デザイン研究所の仙田満氏の設計です。

 

仙田さん園設立時に設計で参加した菊竹事務所OB。

 

ちなみに菊竹事務所が設計した林間学校の担当者は伊東豊雄氏だったそうです。

 

 

のびやかな軒下空間が特徴的で開口部は一部緩やかな曲面を描いています。

 

軒下が低くこれが凄い心地よいスケールでここでお昼ご飯を食べました。

 

手を伸ばすと着くのでたぶん2200mmぐらいの高さ。

 

休憩中の職員さんも昼食中のようで外にテーブルを出して談笑中。

 

なんだか心温まる光景です。

 

 

 

休館中の温室。

 

使われていない姿もなんだか絵になります。

 

木々より建物の高さが抑えられている為か周りに対して圧迫感がなく建物の存在感も強くありません。

 

自然観察センターもですが入念なボリュームスタディを繰り返し高さを決定したことが伝わってきます。

 

どちらもスケール感が絶妙!

 

 

 

 

この写真は山の中ではなく園内です(笑)

 

雄大すぎる…

 

園内の一部は自然保護区になっていて立ち入りが禁止されています。

 

 

とにかく走り回る息子…

 

この日爆睡だったことは言うまでもありません。

 

 

芝生で寝転ぶ家族やテントを張っている家族など自由な空気が園内の魅力です。

 

自然と多彩な施設、戦時中の遺構が共存する歴史的、文化的な価値ある場所でもあり、

 

60年代建築家の夢のあとも垣間見られる、なかなか奥行きの深いこどもの遊び場です。

 

どこか行楽地をお考えの方は家族で1日中ゆっくと遊べる「こどもの国」オススメですよ。

 

よかったら一度訪れてみてください。

 

いや、ぜひ。

 

iso

 

 

こどもの国HP → https://www.kodomonokuni.org/

 

 

 

 

 

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