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2022.04.13
鎌倉山めぐり
こんにちは、スタッフの田原です。
先日、鎌倉山で開催されていた「ジョージナカシマ展」へ行ってきました。
会場は昭和を代表する建築家の一人、吉村順三が設計した「鎌倉山の家」。
1974年に竣工したこの邸宅は、主屋と離れの茶室で構成されていて、
リノベーションを経て現在は「ink gallery」として運営されています。
ジョージナカシマは日系アメリカ人で、20世紀を代表する家具デザイナーの一人。
ワシントン州のシアトルで育ち、大学では森林学や建築学を学んだ後、1934年に来日しています。
そして日本で活動したアントニン・レーモンドの建築事務所に入所し、
そこで同僚だった吉村順三とは親友でもあったそうです。
トンネル状のアプローチをくぐり抜けると、地中に埋め込まれたようなギャラリーが。
どの椅子にも実際に腰掛けて、木のぬくもりと洗練されたデザインを体感しました。
また掘り込まれた庭に視線が抜け、包み込まれたような安心感がある空間で、
とても落ち着いて展示を味わうことができました。
主屋と茶室のつながり
和室にも合う座面が少し低めのチェア
親交の深かったジョージナカシマと吉村順三、
今回二人の作品を一度に堪能できて、とても贅沢なひと時でした!
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鎌倉山には、弊社代表のお師匠さんでもある堀部安嗣氏が手掛けた「鎌倉山集会所」があり、
そちらも見学してきました。
敷地内の桜が満開で、なんとも魅力的な一画になっていました。
偶然にも午後から囲碁教室があるとのことで開館していて、
少しの間内部を見学させていただきました。
集会所の運営は地元の方々がされているそうで、地域に根付いた場所になっているのを感じました。
地域の集会所がこんな素敵な建物で、ちょっぴり羨ましくもなったり…(笑)
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お昼はお蕎麦で有名な「檑亭」へ。
鎌倉山のほぼ山頂にあり、その前身は昭和3年に日本で最初に開発された分譲別荘地です。
約5万平方メートルにおよぶ廻遊式庭園には、各地から集められた石仏や五重塔、茶室などがあり、
広大な景色を楽しみながら散策することができます。
檑亭・本館は江戸時代に建てられた横浜の農家を移築したもので、
入口の山門とともに2013年に国の登録有形文化財に指定されています。
歴史を重ねてきた建物と鎌倉山の緑を楽しみながら、美味しいお蕎麦を味わいました。
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途中で「ハウス・オブ・フレーバーズ」という洋菓子店にも立ち寄りました。
設計は建築家の斎藤裕氏。
丸いフォルムが可愛らしい印象で、内部は光に溢れていて、
小さなカフェスペースから望める鎌倉山の絶景も見どころのひとつです。
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そして最後に、北鎌倉にある浄智寺にも足を伸ばしてきました。
浄智寺庫裏は、昭和を代表する建築家・白井晟一の遺作。
寄棟の屋根が印象的でとても美しかったです。
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洗練されたデザインに触れ、春の桜と緑に癒され、
鎌倉山を1日めぐって、とても有意義な時間になりました。
tahara