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2022.12.15

巨匠の真髄に触れて

こんにちは、礒です。

 

先日、家族で箱根に小旅行に行ってきました。

 

箱根の観光地をいくつか廻ったのですが、最大のお目当ては、

 

ザ・プリンス箱根芦ノ湖(旧 箱根プリンスホテル)の宿泊。

 

ここは、建築界の巨匠、村野藤吾が設計したホテルとして有名で、

 

大地から生えたかのような、周囲と馴染んだ独特な村野建築が、

 

芦ノ湖の湖畔に静かに佇んでいます。

 

晩年作のひとつで1978年に竣工した当時、村野は87歳。

 

村野の意匠は他の建築家と一線を画す独特なもの。

 

装飾は優美で軽やかで、そして華やかさの中に品格を感じます。

 

ここ、ザ・プリンス箱根も花弁が開いたかのような有機的で独特なフォルムをしています。

 

一泊でしたがじっくりと村野藤吾の世界を堪能してきました。

建物は木々の高さを超えないように計画されたそうです。

 

そのせいかとてもヒューマンスケールで圧迫感がありません。

 

景観との調和と対比のバランスが見事です。

そしてこの華やかなロビー。

 

低く抑えられたエントランスからこのドラマチックなロビーを通り、客室棟へと導かれます。

 

この時点ですでに巧みな村野演出にやられてしまいます (笑)

 

宿泊者の心理を巧みに操る演出が随所に散りばめられています。

村野がデザインしたスワンチェア。

 

重心が低くて座ると落ち着きます。

客室棟の階段。

 

竹のある中庭に沿うように配置されたこの階段もドラマを感じます。

 

客室棟は円形をしていることもあって、アールが多用され、

 

全体的に柔らかい雰囲気を醸し出しています。

村野といえば階段。

 

いくつもの素晴らしい階段を設計していますが、

 

ここザプリンス箱根芦ノ湖も優美で華やかな階段があります。

 

素敵すぎて見ただけで上ってみたくなります。

窓と水切りのデザイン。

 

各ディテールも抜かりなくデザインされています。

 

全体の建物からディーテールに至るまでデザイン思想と表現が一貫しています。

 

ここまで豊富なディテールと要素を破綻なく一つの世界に昇華していることに驚かされます。

 

なかなか出来そうで真似のできない領域…

せっかくなので客室はレイクビュー。

建物はもちろんこと、ホテルのサービス、ホスピタリティーも一流でした。

 

近くには水族館やミニ動物園のある箱根園もあって、家族でも楽しめます。

 

のんびりするつもりが、建築が気になって結局のんびりできないのは設計者あるある…

 

こればっかりは昔からちっとも変わりません。

 

次に行く時はもう少しのんびり過ごす!と宣言したところですが、

 

たぶん無理だと思います (笑)

 

iso

 

 

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