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2022.05.09
コルビュジエの空間に触れて
こんにちは、スタッフの田原です。
ゴールデンウィーク休み中に、上野にある国立西洋美術館へ行ってきました。
建築設計に携わる者としてお恥ずかしい話ですが、
これまでに西洋美術館をじっくりと見学する機会がありませんでした。
この1年半の間、改修工事が行なわれていてこの4月についにリニューアルオープン!
心待ちにしていました!(笑)
設計は世界的に知られているスイス出身の建築家、ル・コルビュジエ。
2016年には「ル・コルビュジエの建築作品−近代建築運動への顕著な貢献−」として、
本館を含む敷地全体が世界文化遺産に登録されました。
今回のリニューアルで空調や防水の工事をするにあたり、前庭の工事が必要なことから
工事の後、可能な限り1959年の竣工時の姿に戻すことにしたそうです。
敷地周辺の開放的な柵や、前庭の床の目地など細部に渡って復元されています。
この広い前庭の地下には企画展示館があります。
柱で建物を持ち上げてできた空間は「ピロティ」と言われ、
コルビュジエが提唱した「近代建築の5つの要点」に含まれる大切な要素のひとつです。
常設展の入り口である「19世紀ホール」
三角形のトップライトがとても印象的で、やわらかな自然光がホールに差し込んでいました。
またコルビュジエが多くの建築に用いたスロープはゆるやかに空間と空間をつなぐため、
移動しながらゆっくりと景色の変化を楽しむことができます。
スロープを登りきった場所からの景色。
左手奥に見えるバルコニーが、より空間に奥行きを作り出しています。
2階展示室は、19世紀ホールを中心にぐるりと回遊できる構成になっています。
天井は高い部分と低い部分が組み合わさっていて、
展示をめぐりながら空間の広さや変化を感じることができました。
階段上の中3階は小さな作品を展示する予定のスペースだそうですが、
現在は使われていないそうです。
めぐっていると中庭の緑へと視線が抜ける場所が。
ついついそのベンチに腰掛けてひと休みしてしまいました(笑)
本館からつながる新館は、コルビュジエの弟子である前川國男氏が手掛けています。
新館ではコルビュジエの絵画と素描の企画展が行なわれていました。
– –
世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築作品は、7か国17資産で構成されています。
日本で唯一のコルビュジエ建築である国立西洋美術館を堪能し、
コルビュジエの世界を身近に感じることができてとても充実した時間でした。
tahara