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2022.06.29
「こどもの国」のデザイン展へ
こんにちは、礒です。
先日、国立近現代建築資料館で行われている、
「こどもの国」のデザイン -自然・未来・メタボリズム 建築- 展へ行きました。
以前ブログでも紹介しました「こどもの国」。
まさか展覧会があるなんて夢にも思いませんでしたが、
個人的に「こどもの国」の当時の建築群に興味があり色々と調べていたこともあって、
とても興味深い展示でした。
こどもの国
こどもの国と建築家の夢
改めて開園時の建築家が取り組んだプロジェクトの図面を眺めると、
その後の建築界を担うことになる若い建築家達の想像力と発想力に圧倒されました。
また、自然と子供の遊び、子供の未来のための施設デザインがどうあるできか?
と真摯に向き合った情熱や気概が伝わってきます。
「自然豊かなこどのも遊び場を創る」こどもの国のマスタープラン。
全体のマスタープラン作成者は丹下健三の右腕として知られた建築家、浅田孝。
自然環境を出来るだけ残し、
子供の自発的な遊びやレクリエーションを重視するという方針だったそうです。
現存する数少ない施設、丘に立つ休憩所、黒川紀章設計の「フラワーシェルター」。
開演当時から現存する数少ない施設の一つ。
こちらも黒川紀章設計の「アンデルセン記念の家」。
「アンデルセン記念の家」の矩計図。
こちらは菊竹清訓設計の「林間学校」のスケッチ。
数多くの案が検討されていたそうです。
大谷幸夫設計の児童遊園円錐屋根の詳細図。
この円錐屋根は現存していませんが、
開演当時はイサムノグチがデザインした現存する「丸山」の周囲を取り囲んでいました。
資金難で建設に至らなかった案も多かったようです。
上の写真は黒川紀章の公衆便所の計画。
様々な立地に対応する形でに組み合わせが可能になるという、
面白いアイデアを見ることができます。
しかし、残念ながらアンビルト計画案。
資金難で一般寄付や大手企業からの協力を得ながら、
最終的にメタボリストたちによる9件のプロジェクトが竣工しています。
展示資料には図面の他、契約書や議事録、設計料についての言及もあり、
当時の職能の確立に向けた動きも垣間見えます。
あとがきでも言及されていましたが、「情熱と現実の間」という言葉がぴったりくる資料群で、
メタボリズム建築の実像を語る大変貴重な展示内容になっています。
ご興味のある方は是非。
iso