works
徳永の家works
project data
所在地:福岡県福岡市
竣工:2022.01
用途:専用住宅
延床面積:112㎡
写真:礒健介
施工:株式会社斉藤工務店
工事種別:新築構造種別:平屋
遠くに山並みを望み田畑が点在する住宅地に立つ、ご家族4人の平屋の住まいです。
敷地に余裕があったことや建主からの要望、周辺環境との兼ね合いを考慮すると、
平屋が相応しいと感じ設計をスタートさせました。
敷地は学校のグランドに隣接し周囲の賃貸アパートと向かい合うことから、
どのようにプライバシーを確保するかが課題でした。
また、周辺に遮るものがないため、防犯の点からも開放的な計画は不向きだと感じました。
そこで、閉じながらも閉塞感がなく開放的で居心地の良い空間のあり方を探り、検討を重ねました。
プランは動線の効率化と距離感、住環境を考慮して矩形を基本とし、
キッチンを囲むように回遊動線をつくり、各部屋と水回り、リビング、ダイニングを結んでいます。
各部屋を建物四隅に配置することで内部に程よい距離感をつくりだしました。
内部は四隅に屋根なりの勾配天井が流れ櫓のようなロフトへと続きます。
キッチンは根太梁の踏み天井と黒いタイルが白い空間のアクセントになっています。
床座の生活に合わせて床は杉の無節フローリングを採用しました。
屋根は矩形の建物に呼応するようにシンプルな寄棟屋根。
おおらかな屋根は周囲に落ち着きと安定を与えています。
四方に広がる長い軒は風雨から建物を守り汚れや劣化を防ぎ、
夏場の日射遮蔽にも効果を発揮します。
また、2階建て賃貸アパートからの視線を遮り、
軒を低く抑えることで周囲に対し圧迫感が出ないよう配慮しています。
こうべを垂れるような佇まいは建主の謙虚でやさしい姿にも重なります。
内部は勾配天井を活かした開放的な空間。
リビングのヌックはゴロゴロしながら外を眺めるためのご主人の特等席です。
キッチン上部にはロフトを設け開放することで空間の広がりと空気の循環を促しています。
また、物が増えることも想定し、収納スペースとしての機能もあります。
伸びやかにやさしく包まれた空間と暮らしがどう溶け合うのか。
そして、どんな時間を紡いでいくのか、とても楽しみなお住まいです。