works
大山阿夫利神社 茶寮石尊改修工事works
project data
所在地:神奈川県伊勢原市大山
竣工:2024.07
用途:飲食店
延床面積:118㎡
写真:礒健介
施工:内田工務店
工事種別:改修、増床改修範囲:エントランス、厨房、備品庫、
客席(一部)、客席通路
構造種別:木造平屋
※堀部安嗣建築設計事務所との共同設計
本計画は、2019年に開業した大山阿夫利神社境内にある石尊茶寮の改修工事です。今回は年々来場者が増える状況を見越し、厨房機能の強化と新たなギャラリースペースの増設、客殿とのつながりをつくる動線計画を目的とした改修を行いました。石尊茶寮は、参拝後のひとときを静かに過ごす場として、また神社の文化的な営みや地域との交流の場として、多くの方々に親しまれてきました。今回の改修では、食の提供機能を担う厨房の増床とともに、展示や催しに対応できるギャラリー空間を新たに設けることで、茶寮の役割をより多面的につながることを意図しました。ギャラリーは、単なる機能空間としてではなく、建築的にも茶寮と客殿をやわらかくつなぐ“間”のような役割を担います。両者の間に生まれるこの新たな結節点は、人の流れを導き、場と場の関係性を再編成します。ファサードは柿渋塗装の杉の小幅板をの設とし、神域の空気感を損なうことなく、周囲の風景や既存建物との調和を図りました。室内の仕上げも今までの杉柿渋塗装や栗の名栗仕上げなどを踏襲し、昔からそうであったかのような変化やノイズを感じない設計を心かけました。また、内と外、静と動、日常と神聖、それらが緩やかに交差する場所として、空間に豊かな余白を残すことを意識しました。石尊茶寮の雰囲気を損なうことなく、その機能と役割を静かに拡張すること。それが本計画の狙いであり、境内全体の活動の広がりを支える基盤になることを願っています。